Page content

Press Release

2021年 十月 12

自動走行列車から代替駆動技術まで – アルストム社(Alstom)CEO のアンリ・プパール・ラファルジュ(Henri Poupart-Lafarge)氏がイノトランス(InnoTrans)のポッドキャストに登場

将来、私たちはどのように旅行・移動するだろうか。どうやって物品を運ぶだろうか。また、都市と地方の交通はどのように変化するだろうか。イノトランス(InnoTrans)のポッドキャスト再新版では、アルストム社のCEO兼社長であるアンリ=プパ−ル・ラファルジュ(Henri Poupart-Lafarge)氏が、未来のモビリティについてのビジョンを語っている。「鉄道輸送は、多数の乗客を効率的に、また特に環境に優しい方法で移動させるために、モビリティの要である」と、プパール・ラファルジュ氏は述べている。さらに、氏は、貨物輸送の場合も同様のことが当てはまり、できる限り「見えない」ように運搬する必要があり、理想的なのは夜間に、特に鉄道を使って輸送することであると言及している。

また、これからの交通手段は、環境やデジタル化だけでなくネットワーク化も進んでいき、長距離であろうと「ラストワンマイル」であろうと、さまざまな交通手段による移動は、将来的には今よりもずっとスムーズで快適なものになる。移動は無駄な時間と思われず、できるだけ快適に過ごせるものでなければならないと、アルストム社の社長兼CEOは確信をもって述べている。近未来はどのようなものになるかということについては、イノトランスの新しい展示エリア「Mobility+」と「Travel Catering & Comfort Services」の場で提示している。

革新的な駆動技術で、移動の持続性を高める

アルストム社は、「Alstom in Motion 2025」と名付けられた戦略により、持続性を向上させるよう積極的に推進していきたいと、プパール・ラファルジュ氏はイノトランスのポッドキャストで言及した。そのために、アルストム社は、研究と開発のために年間約600万ユーロを投資する予定ということである。短い距離であればバッテリー、1000kmまでの距離には水素といった駆動技術は、鉄道輸送をより持続可能なものにするために貢献している。「しかし、列車の製造方法についても、より持続可能なものにしなければならない」とプパール・ラファルジュ氏は述べている。ここでは、リサイクルのテーマが中心的な役割を担っているということになる。

また、デジタル化することは持続可能なモビリティへと変わっていくことを支え、かつ加速させるものなので、これを推進する必要があると、氏は説明している。ネットワーク化された列車だけでなく、インフラもデジタル技術を駆使して最適化する必要があるということである。パリとリヨンを結ぶ路線に新しいデジタル信号技術を導入する過程で、大幅に効率がよくなったので、今までより多くの列車が毎時その路線を走ることができるようになったという例をあげた。「インフラの容量を増やすことで、環境への影響を減らすことができる」と、プパール・ラファルジュ氏は述べており、それは同時に、コストも削減できるということである。

2023年に初の自動走行列車が登場予定

自動走行列車についてはアルストム社のCEOは楽観的見解を示しており、2023年には最初のプロトタイプが登場すると予想している。地下鉄は何十年も前から完全に自動運転になっているものの、最大の課題は当然のことながら地上の道路における複雑な条件である。列車の長いブレーキ距離を考慮して、障害物を確実に事前に検知する必要がある。

プパール・ラファルジュ氏は、次回のイノトランスでは、2018年のイノトランスで水素駆動を搭載した初の近距離列車による旅客運行を世界で初めて公開した際に経験したような、「驚きの効果」があることを期待している。あのことがあったことで、この代替駆動技術に対する見方が変わったということである。当時はまだ、経営者の間で疑問が持たれていたそうだ。しかしながら、今では水素は長距離用のソリューションとして認められているということである。

イノトランスのポッドキャストにおける全シリーズは、「こちら」からご覧いただけます。シリーズに関する追加情報は、弊社のソーシャルメディアチャンネル(LinkedIn、Twitterでは@InnoTrans)とイノトランスのブログでご覧いただけます。次回のイノトランスのポッドキャストは、11月09日に公開予定です。

InnoTrans について

InnoTrans は2年毎にベルリンで開催される国際鉄道技術見本市です。 前回は、61 ヶ国 3,062 の出展者が参加し、149 ヶ国から153,421 人のビジターが来場して、世界の鉄道業界の革新技術について情報を集めました。本見本市は、Railway Technology(鉄道技術)、Railway Infrastructure(鉄道インフラ)、Public Transport(公共交通)、Interiors(インテリア)、Tunnel Construction(トンネル技術)の 5 つの部門に分かれています。InnoTrans はメッセ・ベルリンが主催します。第 13 回 InnoTrans は 2022 年 9 月 20 日~ 23 日の期間、メッセ・ベルリン国際見本市会場で開催されます。詳細については www.innotrans.com をご覧ください。